アセクシュアルアロマンティック入門
ToC
書誌情報
title: アセクシュアル アロマンティック入門 性的惹かれや恋愛感情を持たない人たち アフィリエイトリンク
author: 松浦 優
publisher: 集英社
publish: 2025年2月17日
LGBTに関する議論から取りこぼされてきたものがある。それが「アセクシュアル」「アロマンティック」などのセクシュアリティだ。アセクシュアルとは「他者に性的に惹かれない」という指向で、アロマンティックとは「他者に恋愛的に惹かれない」指向をいう。私たちは「誰しも他者を恋愛的な意味で『好き』になったり、性的な関係を持ちたいと思ったりするはずだ」という前提で日々を過ごしがちだが、そういった思い込みは彼らの存在を否定することになる。本書ではアセクシュアルやアロマンティックの人々の経験や置かれている状況、歴史、そして関連する用語や概念を詳細に解説する。松浦優(まつうら・ゆう)一九九六年福岡県生まれ。九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。博士(人間環境学)。九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員。専門はクィア・スタディーズおよび社会学。共著に『フェミニスト現象学:経験が響きあう場所へ』『アニメと場所の社会学:文化産業における共通文化の可能性』『恋愛社会学:多様化する親密な関係に接近する』『入門・家族社会学:現代的課題との関わりで』。はじめに――「好きになる」とは第1章 アセクシュアル/アロマンティックとは何か第2章 Aro/Ace の歴史第3章 Aro/Ace の実態調査第4章 差別や悩み第5章 強制的性愛とは何か第6章 セクシュアリティの装置第7章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき第8章 Aro/Ace の周縁化を捉えるために第9章 Aro/Ace のレンズを通して見えてくるものおわりに
読書メモ
2025-06-05
- DSM5までアセクシュアルは病気扱い
- 厳密にいうとDSM3から
- 1987 DSM3Rに記載のHSDD(性的欲求低下障害)
- 性器中心主義
- 性行動の理解の中心に、性器の反応を据えること
- とくに男性の性行動が中心とされている。
- フェミニズムとアセクシュアル
- 1972 アセクシュアル宣言
- 女性の性的搾取は、性愛を中心とする価値観から生み出されている。
- 性愛からの撤退としてのアセクシュアル。
- 1972 アセクシュアル宣言
- スプリット・アトラクション・モデル
- 性的指向と恋愛的指向を切り分けるモデル
- 三宅大二郎 #asklist
- 方向づけのない性欲動
- 性的惹かれをともなわない性欲
- 💭夜のそら アセクシュアルのアクティビストらしい。ときのそらみたいや。
- ノンセクシャル
- 日本のコミュニティで生まれた独自の概念
- 日本のコミュニティでは、「アセクシュアル」という用語がアセクシュアル+アロマンティックのいみを指すものというふうに使われていた。
- コミュニティは2ちゃんねるにもあった。
- 恋愛感情はあるが性的欲求はないことをさす
- 日本のコミュニティで生まれた独自の概念
2025-06-07
- 日本のアセクシュアル人口割合は0.9%と推定される
- 大阪市民調査のほうが設問が細かい
- アセクシュアルは女性の方が多い
- 男性ではアロマンティック>アセクシュアル、女性ではアセクシュアル>アロマンティックとなる傾向
- Aro/Ace調査
- コミュニティの実態調査
- 回答者の数はシスジェンダー女性>非シスジェンダー>シスジェンダー男性となる
- ジェンダー規範はええんやが、やっぱり「生まれ」に関しては無視できひんのちゃうか
- 居住地は東京が多い。都市圏の現象というべきか?
- 年齢は若者が多い。SNSでの調査だからか?
- 自認が始まるのは青年期が多い。
- 違和感を持つのは17才以下で46.5. 18から29までで47.5
- アロマンティック、アセクシュアルについて知るのは20代が多い
- 性欲は性的惹かれとは違う
- 性交欲と性欲は違う
- アロマンティックは交際意欲がほとんどない。まぁ当たり前か。
- 性嫌悪とAroAceのちがい
- 自分の話を聞かれるのが嫌
- 異性間の恋愛、性的作品もそこそこ嫌われている
- 完全に嫌ってるとはいえない。
2025-06-10
- 自身を巻き込まない性的空想をする。
- 💭ふきだしカップリング系の妄想をするオタクだ……
- オートコーリスセクシュアル(自己無関与性愛)
- 当事者はエーゴセクシュアルと称することがおおい
- 性愛に関する分析的議論は、愛・セックス・結婚の哲学が参考になる
- 差別や悩み
- 他のマイノリティに比較すると、抵抗感を持たれることは少ないらしい。10%程度とのこと。
- 保守的なジェンダー観、家族観が性的マイノリティへの偏見と結びつく。
- マイノリティーは性的なからかい、暴力的行為などを受けることが多い
- その中でもアセクシャルは不快な経験をしたことが多いようだ。
- からかいの具体的な内容
- ことばによるいやがらせ
- もてない言い訳、病気扱いなどの偏見、、決めつけ
- 恋愛における困難
- 💭恋愛→性行為→結婚→出産という規範
- 身体的な暴力
- 強要など
- ことばによるいやがらせ
- アセクシャルの人々が被る困難の類型p111
- 病理化
- 病気と考えられること
- 性的/恋愛的な衝突
- パートナー探しにおける困難
- パートナーシップを維持する際の困難
- 望まない行為の強制
- 社会的孤立
- 疎外感
- 同じセクシュアリティの人と交流をもつ機会がすくない
- 偏見による孤立
- 認識的不正義
- 自己認識を否定されること
- 💭ガスライティングといったっけ
- 💭まぁこれに関してはリンク先で……
- 自己認識を否定されること
- 病理化
2025-06-12
第五章 強制的性愛とは何か
- 周縁化のメカニズムについて
- クィア・スタディーズの紹介
- 侮蔑語であったクィアという単語を奪いとり、ポジティブなものにする
- 💭この行為にも名前があったはず。後で調べる #asklist
- 自明視される規範にたいする批判を重要視する。
- 属性間の差異を無視しない
- 💭インターセクショナリティに通じるな。
- 侮蔑語であったクィアという単語を奪いとり、ポジティブなものにする
- 規範性(ノーマティヴィティ)
- 「普通」と「異常」
- Normalに含まれるNorm(規範)
- 普通であること=本来そうあるべきことという意識、感覚
- 「普通」と「異常」
- 異性愛規範(ヘテロノーマティヴィティ)
- 異性愛をデフォルト値とみなし、そうでないものを異常とする通念をさす
- 似た意味のことば→強制的異性愛
- アドリエンヌ・リッチによって生み出されたことば。異性愛規範に先行する。
2025-06-15
- 拡張性とは単なる男性中心社会ではなく、異性、愛男性中心の社会なのだと主張したのがレズビアンフェミニズム
- 強制的異性愛と性差別は不可分に結びついている
- 強制的性愛
- アセクシャルでないことを望ましいとみなす規範
- 草の根時に広まっていった
- 恋愛伴侶規範
- エリザベス・ブレイクが生み出した造語。訳語は夜のそらが提起した
- 恋愛至上主義の哲学的なよび方ととらえると良いとのこと。p126
- 一対一の永続的な恋愛関係が望ましいものとされる。
- 💭ロマンティックラブイデオロギーと似ている?
- 独身者差別、恋愛と要素のないケア関係(友達同士のケア)、ポリアモリーの差別
- 💭寮生活とかは差別されていないように思うが……?
- 対人性愛中心主義
- 恋愛の対象は生身の人間であるべきという規範
- フィクトセクシャルからの異議申し立て
- 💭Aro/Aceムーブメントじたいがインターネットを中心に広まったものなので、インターネットのオタク性を取り込んでいるように思える。
- 上に上げた規範が、Aro/Aceを周縁化している
第6章セクシュアリティの装置
- 規範とは、どのように存在するのか
- まずはフーコーの性の歴史から
- 研究方法論の源泉
- フーコーの批判対象
- セクシュアリティについて、抑圧と解放の二元論で語ること。
- 近代になると性的なことがらが抑圧されるようになったという言説
- セクシュアリティについて、抑圧と解放の二元論で語ること。
- セクシュアリティの言説化
- 近代はセクシュアリティについて積極的に語られる時代
- 言説化が抑圧に結びついた。
- 性について語ることを煽る権力
- 💭倫理家目線とでも言おうか。現代でいう経営者目線のような?
- 告解において、性的なトピックが重要視されるようになる
- 欲望の言語化、行為に至るまでの内面の言語化
- 💭社会の心理学化だな。
- ポスト・フーコーも気にしたほうがいい
- バトラー入門
- LGBTを読みとく
2025-06-20
- 告白という科学
- 性についての告白が科学の領分になった。
- 心身の病気や人類の行く末まで、すべてを説明するマスターキーとしての性
- セクシュアリティは個人の内面の奥底に隠れているという通念
- 内面にあるセクシュアリティを、読み解く技術者として特権化される医者
- 犯罪から医療対象への変化
- 同性愛者の誕生
- 同性どうしの性行為はいつの時代もある
- 💭古代ギリシャの同性愛とか、戦国時代の衆道とか
- 行為と内面のセクシュアリティに関しては結びつけられなかった。
- 病としての同性愛が現れたのが19世紀
- 上で見たような、罪から医療対象への転換がおきた
- 誰でも行いうる行為(同性との性行為)から、「われわれ」とは違う本性をもつものへの転換。
- 同性愛者という主体の誕生
- アイデンティティを持つことになる
- 名前をもつことで、ターゲットとして取り扱える対象になる
- 💭名付けの効果だ
- 同性どうしの性行為はいつの時代もある
- セクシュアリティの装置
- 性についての言説を生産するしくみ
- 同じようなプロセスが、アセクシュアルやズーフィリアなどにも起きた
- 💭オタクもそうかな。
- すべての人間に、何かしらのセクシュアリティが隠れているという考え
- すべての人がセクシュアリティに介入する道具(医療、教育、法制度)の影響を受けるように。
- 💭生権力の政治だ。
- いかにして権力に立ち向かうのか?フーコーはどう考えた?
- まず、権力とはなにか?
- 複数の力関係の集合体。一元的なものではない。
- 💭フーコー本を読んでいる人間ならおなじみだな。
- だから、内部での撹乱で変化しうる
- 💭生成AIのディフュージョンと似ている?データの集合にノイズをかけることで目標物を生成する技術。イチから生成するより効率がいいらしい。
- 支配的な言説を逆手に取るp148
- 差別用語を自分たちの言葉にする
- 💭まぁ現代では差別者がやってるわけだが。歴史修正主義とサブカルチャーか歴史戦と思想戦、日本会議の研究あたりで見たな。グラムシのヘゲモニーの話ともつながる。
- 💭キャンセルカルチャーもそうなっている
- 💭まぁ現代では差別者がやってるわけだが。歴史修正主義とサブカルチャーか歴史戦と思想戦、日本会議の研究あたりで見たな。グラムシのヘゲモニーの話ともつながる。
- この戦術も、装置の内部で起きるものにすぎない
- 差別用語を自分たちの言葉にする
- セクシュアリティの装置のありかたを徹底的にとらえる
- 💭系譜学的な研究の重要さ。グレーバーもその流れにある。
- なんだそんなものか。p150というあっけなさ
- 身体と快楽p150
- 脱セクシュアリティ化
- 規範的でない、セクシュアリティという枠外で構築される快楽、関係性、etc
- 脱セクシュアリティ化
- まず、権力とはなにか?
2025-06-26
- 快楽の非セクシュアリティ化
- SMのような、性器以外からの快楽
- 規範的の相対化
- 何が抵抗で何が抵抗でないのか
- フーコーは基準を定めることに否定的だった。p152
- 強制的性愛 強制的セクシュアリティ
- セクシュアリティの装置からの展開
- 強制的異性愛から継承するものもあるが……
- 強制的セクシュアリティが生み出した展開
- アセクシュアルは強制的性愛によって生み出される
- 誰もが心にセクシュアリティを秘めるという発想のB面
- 「ふつうの人間」でないふりをしているのでは?
- これが証言的不正義につながる(本当は性欲あるんだろ?)
- 「別に普通じゃない?」という反応、そこまで穏当じゃないp156
- 💭ジジ・ムリンへの反応にもよくあったな。
- 強制的性愛とアセクシュアルはどうつきあうのか?
- 抵抗
- 可視化を促すための活動
- プライド・パレードとか
- アセクシュアルを自認することも、セクシュアリティの装置を相対化する言明だといえる
- LGBTの権利運動を流用する
- 💭オブジェクト指向運動論という言葉を思いついた #アイデア
- 💭相乗りに対する反発を他のチャプターでみた。
- 快楽の脱セクシャリティ化
- セクシュアリティが自分のアイデンティティなわけねーだろ!!、!という態度
- 💭カラーブラインドネスみたいに、セクシュアリティブラインドネスなんてのもあるかも?
- 親密関係の脱セクシャリティ化
- 友情にもとづく関係。シスターフッド。などなど。
- 可視化を促すための活動
- 抵抗
- アセクシュアルはセクシュアリティであるべきなのか?
- セクシュアリティ=アイデンティティという構造の強化につながる?
- アセクシュアルはアイデンティティであるべきなのか?
- アイデンティティになることで、自分を縛る鎖になることも。
- 主体化=従属化
- それでも、旗印としてのアイデンティティは必要とされてきた。
- ほかの当事者と結びつくため。
- 自己理解のため。
- 対抗の旗印として。
- 💭アイデンティティ・ポリティクスがなくならんわけだよ。
第七章 結婚や親密性とセクシュアリティの結びつき
- セクシュアリティの装置は「生殖=再生産」を目的とはしていない p164 もとは『性の歴史1』
- 婚姻の装置
- 家族、生殖、相続、人間関係を規定するシステム
- 婚姻の装置は、セクシュアリティの装置にさきだつ。
- 婚姻の装置のスピンオフ、フォークともいえよう
- 性的な行為に関する告解
- 前近代 してはいけない相手とした
- 近代 行為に至るまでの思考などが問題になった
- 💭婚姻の装置自体は、親族構造的な感じがする。結婚してはいけない相手の規定とかまさにそうかも。構造主義だ。
- 婚姻の装置とセクシュアリティの装置はどう違うのか。
- 婚姻の装置
- 人間関係、とくに婚姻にまつわるルールの規定。
- 相続というかたちで、経済と結びつく
- 生殖が目的。
- セクシュアリティの装置
- セクシュアリティをめぐる言説を煽るもの
- 経済とのむすびつきは間接的
- 生殖を目的としない
- 婚姻の装置
2025-06-27
- 婚姻の装置とセクシュアリティの装置の併存
- 家族という領域でまざりあうp166
- 💭なんだかんだいって、家族という単位は重要でアる。家族療法や家族社会学の重要性。
- 婚姻がセクシュアリティに組み込まれる
- 異性愛規範の誕生
- 💭なんだかんだいって、家族という単位は重要でアる。家族療法や家族社会学の重要性。
- 家族という領域でまざりあうp166
- 生権力
- 前近代の権力のかたち
- 人間を殺す権力
- 💭本文では「生殺与奪の権」だった。なんとなくフリーレンで対抗
- 近代における生きさせる権力
- 規律・解剖政治
- ルールに従うように体を作り変える
- 調整・生政治
- 人口の調整。集団の動向を管理する
- 💭コロナ禍を思い出せ
- 2つの結節点がセクシュアリティ
- 性の逸脱を防ぐための訓練
- 人口調節のための生殖
- 規律・解剖政治
- 前近代の権力のかたち
- 生権力と資本主義
- 国家、企業に都合のいい人間の育成
- 訓練と人口ボリュームの調整。
- そして、都合の悪い人間の処置。
- セクシュアリティの装置は、国家、経済の介入の対象
- フーコーは、経済とジェンダーの問題に深入りしなかった。
- よって菊地夏野の議論を参考に
- 国家、企業に都合のいい人間の育成
- 異性愛規範と婚姻関係
- 結婚が許されるのは異性愛のみ
- 財産の共有
- 労働の偏った分配
- 女性はケア要員とあつかわる
- 無償労働
- あるいは低賃金の非正規雇用
- 💭図書館司書とかそうだね。
- 女性はケア要員とあつかわる
- 性関係があることが自明視される
- セクシュアリティと親密性
- 親密性パラダイム(赤川学)
- 望ましいものとされる性行動とは、愛や親密性を含んでいるものである
- アンソニー・ギデンズの『親密性の変容』
- 前提 後期近代(現代社会)とは再帰性の時代
- 自己を再帰的に定義していく
- ロマンティック・ラブ
- 近代社会に現れた愛のカタチ
- ただ一人の理想的な相手との永遠の愛p174
- 「特別な人」がいるという前提
- 相手と自分の関係を、自己の反省的な認識を通じて、再帰的に構成していく
- 結婚制度へ回収された
- 💭お見合い婚から恋愛結婚へ
- コンフルエント・ラブ
- 後期近代(現代社会)において現れた親密性
- 再帰性が徹底されている(謎)
- 「純粋な関係性」
- それを維持すること自体に価値があると思われる関係性
- 対等な条件のもとでの感情のやり取りp175
- 💭よくわからない
- 同志愛、とでもいうべきか。ブロマンス、百合
- 「特別な関係性」
- それを維持すること自体に価値があると思われる関係性
- ギデンズへの反論
- そもそもコンフルエント・ラブなんてあるのか?
- 💭そう思う。ドラマの中の出来事かな
- かいけつしていないものを解決したという。それは問題の覆い隠しになるのでは
- 再帰性が高まれば、対等な関係が出来上がるのか?
- 人間関係の維持において、女性に負担がかかる傾向がある
- 💭ケアの不平等性
- あくまで理想であって、記述的な研究とはいえないよね。
- 強制的性愛への批判がない
- 愛情とセクシュアリティの結びつきを自明視
- そもそもコンフルエント・ラブなんてあるのか?
- 前提 後期近代(現代社会)とは再帰性の時代
- 性にまつわる本質主義
- 女性は受動的。
- なので、押せばイケる……という発想が出る。危険だ。
- 女性は受動的。
- 親密性パラダイム(赤川学)
第8章Aro/Aceの周縁化を捉えるために
- 強制的性愛とジェンダーの関係とは?
- 性の二重規範
- フーコーのセクシュアリティの装置論は、ジェンダーとセクシュアリティの問題を捉えきれない
- 性行動の主体が男性のみと考えられていたという時代的な背景
- 男は性欲をもち、それを女性に向けるのが当然
- 一方、女性は性欲の対象になるもので、性欲の主体として行動するのはおかしい
- これにより、アセクシュアルも男性と女性でちがった扱いを受けるように
- 女性の場合、以下のような認識的不正義が
- 理想の男性を待っているのだろう
- 女性ならセックスしたくないというのは普通だ
- ただの不感症だ
- よいセックスをできる男性ならば「治す」ことができるはずだp184以上
- 男性による矯正レイプという事例も……
- 性に対して受動的であるという認識により、不可視化される
- 男性の場合
- (性欲がない」ということは想定されない
- ヘゲモニックな男性性
- いわゆる男らしい男。アルファメール。
- このヒエラルキーからアセクシュアルは排除、周縁化される。
- 男性のアセクシュアル、女性のアロマンティックが違和感をもたれやすい
- 女性の場合、以下のような認識的不正義が
- 性自認とAro/Ace
- 性自認と性的指向は別物と切り分けることは、普遍的ではない
- フェミニズム、クィア運動と強制的性愛
- これらの運動の中からAro/Aceが排除されることもあった
- セックスポジティブ的な風潮を良しとする側からは、性的な抑圧を内面化していると批判される。
- これらのコミュニティには性的な話を好む人も多く、そういった人からは、アセクシュアルがいるとそういった話ができないから嫌だという話も。
- 💭なんとなく、〇〇する自由を奪うな!という話にも見えるな。
- 2000年代にはもうアセクシュアルの存在が確認されている。それ以前は不可視化されていた。
- セックスネガティブな主張をする側からは、当事者の実態からズレたイメージを持たれているとも
- 総じて、性行動には正しい規範があるという前提を内面化している用に見受けられる。
- そもそも、ポジ/ネガ二元論じたいが、開放と抑圧の二元論に陥っている。
- セックスポジティブ的な風潮を良しとする側からは、性的な抑圧を内面化していると批判される。
- 「フェミニスト・セックス戦争」
- 1970s-1990sにかけて行われた、セックス・ネガティブとセックス・ポジティブの論争
- これ自体かなり大雑把な記述とのこと。p192
- セックス・ネガティブ
- 異性愛は男性支配
- 反ポルノグラフィ
- 💭 キャサリン・マッキノンとか?
- セックス・ポジティブ
- 女性の性的主体性を肯定する立場
- 望ましいものとされるセクシュアリティを規定しようという性質の強い議論だった。
- 1970s-1990sにかけて行われた、セックス・ネガティブとセックス・ポジティブの論争
- これらの運動の中からAro/Aceが排除されることもあった
- 性からの自由
- ベル・フックスによる
- 性行為から解放されるという自由
- 障害者差別
- 健康なものはセクシュアリティを持つという臆見
- では健康でないものは?
- 💭これはちょっと脇道かも
- 障害者は性的に無垢であるというステレオタイプp197
- 性に関する自己決定の機会を奪われてきた。
- 障害者の性の権利は当然それとは反対のものとなる。つまり、性欲を持った存在としての障害者
- ここでアセクシュアルは周縁化、不可視化される。
- 健康なものはセクシュアリティを持つという臆見
- 人種差別
- 正常でないということは性的にも正常でないというイメージ
- 過剰な性化
- ある人種に対して、性的に放縦であるというレッテルを貼ること
- アジア人女性
- 黒人男性
- 日本におけるフィリピン人、「ハーフ」
- 性的に正しい白人とそれ以外という価値観。アセクシュアルも「白人化」されている。
- ある人種に対して、性的に放縦であるというレッテルを貼ること
- 過少な性化
- 性的な存在でないとする決めつけ。p201
- 黒人女性
- アジア人男性
- 自分がアセクシュアルなのかわからなくする効果がある
- 性的な存在でないとする決めつけ。p201
- インターセクショナリティ
- 複数の差別が交差する状態をあらわす概念
- 人種差別✕女性差別としての黒人女性差別など。
- ブラック・フェミニストのキンバリー・クレンショーが提唱した。
- 排除と抹消
- 差別の様態
- 排除は、「劣った存在としてマジョリティから差異化されること」p207
- 抹消は、いないことにされること。p208(e.g/そんなの普通じゃない?)
- 複数の差別が交差する状態をあらわす概念
- 可視性
- 〇〇が「ある」ことは可視化されやすい。- しかし〇〇がないことは可視化されづらい。
- マジョリティの有徴化という戦術。
- アローセクシュアルとかはその典型
第9章Aro/Aceのレンズを通して見えてくるもの
- 強制的性愛という視座は、Aro/Aceを飛び越えて、他の現象をとらえることにもつながる
- 非モテや男女の友情は成立するのか論争など。
- 性行為、恋愛を当然視する強制的性愛のあらわれともとらえられる。
- クワロマンティック
- 恋愛と友情を区別する試みへの抵抗(中村香住)
- 独身差別
- 前提 みなが結婚すべきという規範(皆婚規範)は、『日本人の「意識」調査2020』によれば、年々減少している。(2020年現在では29%)
- にもかかわらず、自分に関しては、いずれ結婚したい、したほうがいいと考えるひとのほうがおおい 8割ほど 第16回出生動向基本調査
- 未婚であることに対するネガティブなイメージがある
- 他人にむけば独身差別
- 未熟というイメージ
- 自分にむけば、独身でいることへの不安感へとつながる
- 他人にむけば独身差別
- 結婚を問い直す。
- 婚姻制度外での他人とのつながりかた
- シェアハウス
- 近くに住んでお互い助け合う
- 💭大学生のころを思い出す
- グループホームやホームシェアも
- 異性愛による生殖・女性によるケアを中心とした家族制度
- マーサ・ファインマンの見直し
- 上記の家族を性的家族と呼び、これだけを特別視する現行制度に異を唱える。
- ケアする側ーケアされる側という関係(典型的には親子)を基準にした家族制度の再設計
- エリザベス・ブレイク
- 『最小の結婚』
- 現行の制度で結婚に付属する権利をきりはなす。
- 💭逆転の発想。法的結婚を同性間のパートナーシップと同じようなものにすればいいのか
- たしかに、これなら同性婚だろうがキャラクターとの結婚だろうが全く問題なくなる
- マーサ・ファインマンの見直し
- 婚姻制度外での他人とのつながりかた
2025-06-28
- Aro/Aceリーディング
- メディア研究におけるa/a的観点
- グプタとカーリ・ジュン・セランカウスキ
- 強制的性愛や恋愛伴侶規範という批判的視座を持ち込むこと
- Aro/Aceの表象を問い直す
- 性的に活発でない人の表象を問い直す
- 💭より適切な表現を探求するために役に立つ
- Aro/Ace的なリーディング
- 💭クィアリーディングのようなものか。
- 「アセクシュアルな共鳴」
- Aro/Ace的なありかたを見出していく読解方針p232
- 登場人物が、性を中心とした価値観から逃れる/降りる瞬間をとらえること
- 異なる時代の中での強制的性愛や恋愛伴侶規範の表出を捉える
- 西原志保『『源氏物語』女三ノ宮の内面』
- 女三ノ宮が異性愛関係から脱出する物語として源氏物語をとらえる。
- メディア理論の読み替え
- 富沢雅彦による「おたく」批評
- 正常な愛=強制的性愛の相対化を含んでいる
- 多重見当識
- 斎藤環が、戦闘美少女の精神分析で提示した概念
- オタクの行う、作品のメタ要素など、複数の観点からの作品へのアプローチ
- 二次元と三次元で異なるセクシュアリティが存在しうるのではないか?という概念
- 斎藤の論考自体にはもちろん批判もある
- フィクトセクシュアル
- 二次元にしか惹かれない
- アトラクション
- 見世物としての「性的コンテンツ」
- 自分ごとではないものとして楽しむ
- トム・ガニングの「アトラクションとしての映画」という概念
- アセクシュアルかつ性的コンテンツを楽しむとはどういうことかを説明できる
- 見世物としての「性的コンテンツ」
- 泉信行の「心の模倣」
- キャラの情動を自分の中で作り出すp244
- 感情を摂取する……というのがわかりやすい言い方か?
- 💭クソデカ感情はなぜ愛されるのか?の答えになりそうだな。
- 『宝塚・やおい 愛の読み替え』東園子
- 女は恋愛が好きだから恋愛モノがウケる!のではない
- 恋愛することを社会に要請されるから、恋愛のコードを読み取る能力が発達する
- それをコンテンツの読解ツールに流用している
- 💭利用可能性ヒューリスティクスみたいな。
- 富沢雅彦による「おたく」批評
- 「性的」とはどういうことか?に対する問い直し
- BDSM
- 性器を使わない性行為の可能性
- 💭クィア・レヴィナス筆者のBluesky投稿を思い出す。
- https://bsky.app/profile/ilyaunetrace.bsky.social/post/3lslca5qhbc2y - 💭本番と前戯。これだけでも、階層化されていることがわかる
- 💭クィア・レヴィナス筆者のBluesky投稿を思い出す。
- SSC(安全、正気そして合意)
- セーフワードとか同意の明確化
- 「正常」側のなしくずし的な合意への問い直し。
- 性器を使わない性行為の可能性
- BDSM
- メディア研究におけるa/a的観点