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クィア・レヴィナス

書誌情報

title: クィア・レヴィナス
author: 古怒田望人/いりや
publisher: 青土社
publish: 2025年3月26日

内容

レヴィナスはなにを規範とし、なにを不在にしたのか、そこにはなにが可能的に蠢いていたのか、そのテクストがいまクィアに/へ開かれていく。ジェンダークィアを生きる新進気鋭の著者によるまったく新しいレヴィナス論。

第I部 レヴィナスをクィアに位置づける――初期レヴィナスを通じて
第一章 「女性的なもの」の概念解釈をめぐって――レヴィナス研究の諸問題
第二章 初期レヴィナスのクィアな読解――その規範性と可能性

第II部 レヴィナスをクィアに問う――抹消されるクィアな人々の存在
第三章 クィアに「未来なし」?――『全体性と無限』における繁殖性概念の規範性
第四章 不可視化される老化の経験――『全体性と無限』における健常主義の問題

第III部 レヴィナスをクィアな生/性へ開く――レヴィナスにおけるクィアな読解可能性
第五章 老化における「最後の繫がり」――後期レヴィナスのプルースト的セクシュアリティ
第六章 拡張される「皮膚」――ベルサーニを介した後期レヴィナスの愛撫論読解
終 章 「わたしたちのセクシュアリティ」――レヴィナスのテクストに潜在するクィアな自己変容について

あとがき
参考文献一覧

青土社 ||哲学/思想/言語:クィア・レヴィナス

読書メモ

序章から 2025-08-11

  • まずレヴィナスの特色
    • 主体中心の哲学ではなく、他者への注目
    • 倦怠、怠惰、疲労といった私たちの日常において周縁化されてしまう経験に目を向け続けた。p.9
    • 狂気と紙一重の存在とみる
    • 知的で健康な大人の男性を前提としない哲学。(村上靖彦 2023)
  • レヴィナスの限界
    • レヴィナスのセクシュアリティ論は、家父長的な生殖を特権化する異性愛・シスジェンダー中心主義から展開されている(p.10-11)
  • 本書の目的
    • 彼(レヴィナス)のセクシュアリティ論がクィアな人々の存在や経験を抹消しているという問題を明らかにしつつ、その規範性を引き受けたとしても彼のテクストのうちにクィアな読解可能性が存在することを引き出し、そこにクィアなセクシュアリティの構造を見出すことにある。(p.12)
      • 💭おれはクィアの意味わかったフリしてるけど、実はわかっていない(アホ)。実際どこまで包摂する概念なんだ?異性愛者のシスジェンダー(のはず)だが、パートナーを探す気は全くなく、もっぱら同人音声だけ聞いてるおれはどこにたってるんだ?
        • 💭フィクトセクシュアルになるんか?ならんやろなぁ……
  • 文学者としてのレヴィナス
    • 哲学者、ユダヤ思想のイメージがつよい
    • WW2で捕虜になってから、1960年代初頭まで小説を書こうとしていた形跡があるらしい。
    • 文学評論家としての活動
      • プルースト読解。本書でも大きく扱われている
    • ドミナントな解釈にさからうp.16
  • 先行研究の限界
    • 倫理学としてのレヴィナス受容(レヴィナス保守本流?)

感想

関連ノート

脚注

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    あさだあめ

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