反動のレトリック
ToC
書誌情報
title: 反動のレトリック
author: アルバート・O.ハーシュマン, 岩崎稔
publisher: 法政大学出版局
publish: 1997年04月
進歩対保守という対立構図の中で様々な改革に対してなされてきた反対の論拠を三つの基本的なテーゼに分類し,そのレトリックの同型性と党派的思考の不毛性を暴く。反動のレトリック | 法政大学出版局 より引用
読書メモ
Note
次読むときのための布石としてのメモです。正直今回はあまり読めなかったので……
2025-07-29 反革命の3つのレトリック
逆転テーゼ
- 〇〇を推し進めると、当初の目標とは真逆の結果が訪れるぞ!というレトリック
- フランス革命
- 普通選挙制度と
- 救貧法
- 💭モラル・ハザードもこれに入るのかな
無益テーゼ
- これまで行われた変革の試みは、表層的な変化をもたらしたが根本は変わっていない。
- これから行われる変革もそうなる……というレトリック
- 💭ちょっと違うが、「所詮人間は〜〜なので変わらない」というような、本性による論証も似たような路線に入るのかも。
危険性テーゼ
- 変革は成功するだろう。ただ、将来に禍根を残すだろうというレトリック
- 上の2つ 反動のレトリック#逆転テーゼ、反動のレトリック#無益テーゼは、変革は達成されないという視点であるのにたいし、これは変革の価値、その達成じたいには注意深く立ち回る
- 💭行きすぎた正義みたいだな。冷笑家からもっともよく聞く論法といえる
- 上はコーンフォードの考えだったp.96
- 変革が、その前に行われた変革を無駄にするだろう、というレトリック これがハーシュマンの定義
- 💭ラディカル・フェミニズムがそれ以前のフェミニズムの獲得したものを無に帰すだろう……みたいなタイプの論証だ。無限に聞いたことあるな。
上記3つの組み合わせ
- 未読……
- しかし、離脱・発言・忠誠でも、3つのテーゼとその組み合わせでいろいろな出来事を分析していた。
2025-07-29 進歩のレトリック
- なにもレトリックによる相手のテーゼの拒絶、否定は保守派だけがやるわけではない
- 進歩派はどのようなレトリックで、相手の口をふさぐのか
危険性テーゼのあわせ鏡
- 共力幻想
- 危険性テーゼにおいては、先行する変革Aが現在行われている変革Bと両立し得ないというのが前提としてある
- こちらの、共力幻想は逆に、AとBは相互に補完して、よりよい未来を生むだろう……という主張。
- 差し迫った危険テーゼ
- 改革をしないことの危険性を言いたてる論法
- 「歴史はわれらの側に」説p.174
- マルクスに典型的な、歴史の発展法則の想定
- 保守反動派の無益テーゼに対応する
- 保守サイドは歴史は進まない(から変革は無駄)というレトリック
2025-07-30 逆転テーゼの進歩派版とは?
- 逆転テーゼ=広範囲に逆効果が生じるので、革新的政策には慎重であれ、とする
- つまり意図せざる結果
- これに対応するもの、それは意図によって社会をコントロールするというユートピア思想ではないか?、というのがハーシュマンの主張 p.181
- 💭このあたりの議論はうまく飲み込めていない。
- 「破局妄想」
- ハーシュマンのラテンアメリカ研究の中で生み出した概念
- 国をよくしようとする試みはすべて失敗したという妄想
- 絶望、というか絶望感なのか。
- 💭まぁ日本にもそういう雰囲気はある
- ハーシュマンのラテンアメリカ研究の中で生み出した概念
- どちらかというと、保守派のほうがうまくこの種のレトリックを使っている
- しかし、結局のところそこまで優れた論証方法ではない(
- 💭保守派のレトリックが論証としてどう不適切かはこの本の大部分を占めているが、==俺は飛ばし読みしました==
- かなりラディカルなことばが。「民主主義のなかでは、いかに議論してはならないか」ときたp.189
- 民主主義はさまざまな集団が、相手を打ち負かせなかったからこそ成立している p.190
- ためにする論争(非妥協的論争)はほんとに無意味
感想
やっぱりハーシュマンは面白いなぁ。今回の本は、