大衆演劇への旅 鵜飼 正樹(著文) - 未来社
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社会学者が一年二ヶ月にわたり関西の大衆演劇一座で生活した経験を綴るエスノグラフィー。役者としての喜びや苦悩、座員たちとの人間関係を通じて、大衆演劇の世界を内側から描き出す。学問的分析を超えた、生の感情が伝わる記録。
title: 大衆演劇への旅 (タイシュウエンゲキヘノタビ) author:
publisher: 未来社 publish: 1994-01-01
紹介
かつて“京大の玉三郎”と呼ばれ、実際に舞台で脚光を浴びた若き社会学者が、関西の大衆演劇一座に暮らした一年二カ月を日記風に再現・記述する民族誌。
紹介
かつて“京大の玉三郎”と呼ばれ、実際に舞台で脚光を浴びた若き社会学者が、関西の大衆演劇一座に暮らした一年二カ月を日記風に再現・記述する民族誌。
読書メモ
感想
鵜飼正樹『大衆演劇への旅』を読んでいます。帯にあらすじが書いてあるという親切設計。本の内容をMECEにまとめられた試しのない人間には特にありがたい。
アナ・ツィン『摩擦(アナ・ツィン)』もこれも同じ「エスノグラフィー」というジャンル。だがスタイルは全く違う。『摩擦』はグローバルとローカルのあいだを往復し、複数の登場人物(人間にかぎらない)の関わりあいを分析した重層的な本だ。それに対してこっちは、著者が劇団員として過ごした日の日記だ。現在でいう「オートエスノグラフィー」に入るかどうかもわからない。分析も特にない、マジの日記である。
でもこれが面白い。24時間他人と一緒にいることの窮屈さが文面から痛いほど伝わる。読んでて胃が痛くなるくらい。「研究のためにやってるだけなのに、なんでここまで怒られなあかんねん」という著者の独白もいい。よそ行きの研究ではない、むき出しの感情がある。こんなことを書いていても、観客にウケて、おひねりがもらえるとすぐに演劇人としてのエートスを獲得しだす。馴染めないってかいてた青びょうたんはどこいったの?
先生からの叱咤と同じくらい後輩への嫉妬心が稽古に打ち込む原動力となるのも俗っぽくていいと思った。
そして途中でやめていく座員との別れや、自分の退団は泣かせる。泣けるエスノグラフィーってなんなの?と思わなくもないけど。これはぜひ読んでほしいですね。
関連ノート
脚注
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