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楽しい政治 「つくられた歴史」と「つくる現場」から現代を知る

書誌情報

楽しい政治 「つくられた歴史」と「つくる現場」から現代を知る
author: 小森真樹
publisher: 講談社
publish: 2024-10-10

読書メモ

2024-10-24

序文はSNSで限界バトルしてる左派みたいであんまり好きじゃない。買って失敗したかと思った。正直『楽しい政治』というタイトルに関しては、名付けの動機を考えると好きじゃない。「大学生でも楽しいと思えるようなトピックから入れば、政治にも興味が出るでしょ」、みたいな動機だが、ちょっと押し付けがましいと感じる。実際我々?は日々政治に関して考え、そしてストレスを受けてるわけで、それを避けることって結構合理的じゃないか?

感想

2024-10-24

映画、ドラマ、その他色々から、現代のアメリカ社会を分析する本。今日読んだのは第1章 集会と虐殺――パブリック・ヒストリーが開いた負の歴史
第2章 コンクリートジャングルのカウボーイ――「歴史修正」の功罪第1章ではアメコミを原作としたドラマ『ウォッチメン』を題材に、パブリックヒストリーについて考える。パブリックヒストリーは、教科書以外のかたちでーたとえば映画やテーマパークーその社会の歴史を語り継ぐ行為をいう。『ウォッチメン』はドラマ内で、米国の歴史では忘れ去られていたタルサ人種虐殺を掘り起こし、エンターテインメントという形で、人々の記憶の中に蘇らせた。最終的にバイデン政権下で、タルサ人種虐殺の起きた6月19日が国民の記念日に指定される。エンターテインメントの影響力はすごい。それはそれとして、我が国だとこの手の虐殺は延々と否認されつづけるんだろうなと思いました。第2章で題材となるのは、Netflixで配信された映画『コンクリート・カウボーイ』だ。この映画は、フィラデルフィアの貧困地区に現在も実在する、黒人の乗馬クラブを舞台としたカウボーイ・カウガールコミュニティの物語である。カウボーイといえば、ジョン・ウェインが西部劇で演じたような、白人男性のガンマンというイメージが強い。だが、実際にはアフリカ系もかなり多かったようだ。著者は、この映画はカウボーイのイメージをより実際の歴史に近づけるものだと評価している。こちらの章は歴史をポジティブに書き換えていく、といった印象。ポリティカル・コレクトネスも、これまでマジョリティ、権力側に傾いていた記述を書き直すものとして評価している。序文はSNSで限界バトルしてる左派みたいであんまり好きじゃない。買って失敗したかと思った。

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    あさだあめ

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