DropGardenロゴ

男はクズと言ったら性差別になるのか

Info

title: 男はクズと言ったら性差別になるのか
author: アリアン シャフヴィシ, 井上 廣美
publisher: 柏書房株式会社
publish: 2024/07/24

大学入試での特別枠は差別なのだろうか。性的弱者への偏見や差別はどうだろう。最近はやりのセクハラ、カスハラなどの~ハラは何がいけないのだろうか。女性にはどう声をかければいいのか。女性に「ほら笑って」はいけないのか。外国人に対する「故郷へ帰れ」はどうだろうか。政治家の発言に聞く「あなたは美人」うんぬんはかまわないのか。社会やその地域の文化にはびこる差別や偏見。人種差別だけではなく、男女差別、年代での差別、弱者への差別などなど、一部の人たちへの酷い扱いがはびこっている。こうした問題は社会正義という観点から考えると、どのように対処すればいいのだろうか。声高に説教をする老人が話題になったり、ヘイトスピーチ、貧困家庭、児童ポルノの問題、男性の給与や昇進が有利な問題、出演俳優の違法行為による上映中止など、毎日のように耳にするこうした話題。これらはなぜなくならないのだろうか。それは正しい判断なのだろうか。哲学が単なる崇高な学問ではなく、身近なツールとして利用できるようになってきた。それを用いてこうした問題はどのように考えればよいのかを、いくつかのキーワードを元に解説していく。社会的に地位があり、安定した身分のある人々がなぜこうした問題を考えるのを嫌うのか。差別を受ける側の視点からはどのように考えればいいのかを伝授する。はじめに 思考のプロセスを見せよう第1章 白人に向かって人種差別的な言動をとれるか第2章 「ポリティカル・コレクトネス」は行きすぎたか第3章 「犬笛」は何が問題か第4章 「男はクズ」と言ったら性差別になるのか第5章 「オール・ライヴズ・マター」のほうが正しいのか第6章 私たちは誰を信じるべきか第7章 「マンスプレイナー」はどこから水を得るのか第8章 誰が誰をキャンセルしているのか第9章 「構造的不正義」は私たちの責任なのか結び 一番近くにあるバリケード

読書メモ

感想

アメリカン・マインドの甘やかしと正反対の論調。

答えは「ならない」。有害な男性性が生みだした、性差別的な価値観に対する反抗のための言葉だという背景を考慮するとそうなる……らしい。原題は「意見の分かれる事柄についてどう語ったらいいのか?」といった感じのもの。差別による権力の不均衡を考慮し、不利な側からの異議申し立てを尊重するような言論空間を作らなければならない。
BLMやポリティカル・コレクトネス、キャンセル・カルチャーについて語るなら読んでおきたい本だと思います。

関連ノート

キンバリー・クレンショーソジャーナ・トゥルースアメリカン・マインドの終焉ポリティカル・コレクトネスモラル・パニックキャサリン・マッキノンアンドレア・ドウォーキンアミア・スリニヴァサンカーセラル・フェミニズム

リンク

脚注

    Webmention コメント

    あさだあめ

    あさだあめ

    本を読んだりするおじさん。Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。