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相互扶助再論

書誌情報

相互扶助再論
author: ピョートル・クロポトキン
publisher: 同時代社
publish: 2012-10-25

読書メモ

感想 アナキズムの面白さに目覚めた一冊

マクロな面はともかく、ミクロな倫理としては孟子っぽさがある。惻隠の情の強調がそれっぽい。あと、義をみて為さざるは勇なきなり。みたいなこともしつこく述べている。個人的には孟子の考える士大夫道を突き詰めていくと、必ず国相手に闘う日が来ると思う。西郷隆盛も吉田松陰もそうだった。進化論という最新調味料のかかった孟子と考えたらまぁ結構読まれるよなぁ。と思ってしまった。アダム・スミスも共感ベースの倫理を志向していたんだ。道徳感情論読まないと。ホッブズルソーが社会契約後に社会が現れた、原初には社会なんてなかった、というスタンスなのに対し、クロポトキンは社会ははじめから存在してるよ。というスタンスでいいのだろうか。同じ進化論を説明変数に使う思想家でも、〇〇は個体、種どうしの競争に着目する、ホッブズにも通じる見方なのに対し、クロポトキンは厳しい環境に対し、種の中での、そして種を越えた相互扶助に着目しているといえよう。ギュイヨーという謎の思想家、気になるな。聖マックスよりも読まれてないのではないか?でも岩波文庫に入ってるようだし。謎……

関連ノート

義務も制裁もなき道徳

脚注

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    あさだあめ

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